
未婚の母なので、子父に子どもの認知をしてもらいたいから認知調停の流れを知りたい。DNA鑑定は必ずするの?
未婚の状態で子どもを産んだ場合、子父は子どもの認知を拒否してくる可能性もあり、「認知をしてほしいのにしてもらえていない」という未婚の母が少なくありません。
とはいえ、認知をしてもらわないと養育費を受け取ることができなかったり、子どもの戸籍の父親の欄が空白になってしまうデメリットがあります。
未婚の母である方々にアンケートを取ったところ、子父に認知をしてもらうことはメリットが多いという結果がでました。
- 子父と連絡すらつかない
- 認知を拒否されている
- 調停を通してなら認知をしてくれるといっている
など、さまざまなケースがあるとは思いますが、子どもの父親に認知をしてほしい場合はしっかり認知の手続きを進めていきましょう。
子の父親から、「子どもが産まれても認知はしない」「俺は子どもの父親になれない」とのように言われても、決して諦める必要はありません。

私の場合は胎児認知を拒否され、子どもが産まれてから認知調停を申し立てDNA鑑定をして認知をしてもらいました。認知に関しては一連の流れを経験したので、その経験を元に解説していきます。
子どもを認知してもらう流れ
まず、未婚の母が認知をしてもらう流れを段階別にご説明していきます。
- 胎児認知(任意認知)
- 調停を申し立てず任意認知
- 調停を申し立てて任意認知
- 強制認知

基本的には4段階あります。調停などを申し立てなければいけないケースもあるかもしれませんが、認知を望んでいるのならばどこかの段階で認知をしてもらえることになります。
胎児認知(任意認知)
胎児認知とは、お腹の中に赤ちゃんがいる間に、父親である男性に法的な親子関係を認めてもらうことを指します。

胎児認知も任意認知ですが、今回の記事ではわかりやすく段階を追って説明するためにあえて胎児認知として表記させていただいています。
- 結婚はしないが法的には子どもの父親になりたいと思っている子父が相手の場合
- 養育費を支払わないのを条件に胎児認知に前向きな子父が相手の場合
(※胎児認知してもらえば法的に養育費は請求可能)
胎児認知は母親だけの意思で成立させることができません。
父親である男性が子どもを認知することに納得してくれていることが必須となるので、子父に認知を拒否されている状態ですと、例え胎児認知調停を申し立てても不成立に終わることがほとんどでしょう。

私は胎児認知調停を申し立てましたが、拒否されたので不成立で終わってしまいました。胎児認知に関して詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。

認知調停を申し立てず任意認知
胎児認知の次の段階は、調停を申し立てずに任意認知をしてもらう段階になります。
- 実際に子どもが産まれたら認知すると約束していた場合
- DNA鑑定をして親子関係が認められたら認知すると約束していた場合
胎児の状態で認知をしてもらえなくても、子どもが産まれてきたことで子父に認知をしてもらえる可能性はあります。

例えば子どもが産まれてきて顔を見た瞬間に父親であることを実感する男性はいらっしゃいますよね。その場合は未婚であっても任意認知をしてもらえるでしょう。
認知認知とは、父親である男性が自ら認知の手続きを行うことを指しますので、こちらも子父と連絡を取って話し合える状態であることが必須です。
認知調停を申し立てて任意認知
次の段階が、認知調停を申したてた後に任意認知をしてもらうパターン。
- 家裁を通してDNA鑑定をし、科学的に親子関係を証明できたら認知するという子父の場合
- 父親としても責任からは逃げたいが、家庭裁判所などが関わってくることで観念する子父の場合
家庭裁判所を通して調停を申し立ててならば任意認知するという子父は、慎重であるか、又は家庭裁判所や弁護士が関わってくることで観念するパターンが考えられます。

未婚の母が複数の男性と関係を持っていた場合など、子父の立場ではDNA鑑定で親子関係が認められたら認知するというパターンもあるでしょう。
強制認知
最後の段階は強制認知になります。
強制認知になってしまうということは、父親である男性が父親の責任を果たさずに逃げようとしているケースがほとんどでしょう。
- 子父が父親としての責任から逃げ続け、裁判所の審判で強制認知が認められる

調停に出席しない・DNA鑑定での結果さえ認めないなど、拒否し続ける子父が空いてだとしても、審判の段階までいくと強制認知をしてもらえるでしょう。
基本的には、審判までいくと強制認知は成立します。
とはいえ、子父である相手のでかたによっては時間がかかりスムーズに進まないこともあるようなので、どうしても難しい場合はまず弁護士さんへ依頼するのがいいでしょう。
胎児認知の流れ
胎児認知の流れは下記になります。
- 子父と話し合いをして胎児認知をしてもらう
- 胎児認知調停を申し立てて胎児認知をしてもらう
子父と話し合いをする
子父と連絡を取れる状態、話し合える状態であるならば胎児認知を直接お願いするのがいいでしょう。

少しでも誠意を見せてくれる男性ならば胎児認知をしてくれる可能性はあります。
胎児認知調停を申し立てる
話し合いの中で胎児認知をしないといわれても、胎児認知調停を申し立てることが可能です。

胎児認知調停を申し立てるくらいのあなたの本気度が伝われば、もしかしたら胎児認知をしてくれる父親もいるかもしれません。
しかし、実際は胎児認知調停を申し立てたとしても、胎児認知を拒否されて調停が不成立に終わることの方が多いでしょう。
なぜなら、胎児の段階では子の父親側が拒否をすると、それ以上追及できないからです。

任意認知をしてもらう流れ
胎児認知をしてもらえなかったとしても、子どもが産まれてから任意認知してくれる子父もいます。
流れは下記になります。
- 子どもが産まれたら認知届を提出してもらう約束をする
- DNA鑑定後に任意認知をしてもらう
- 認知調停を申し立ててDNA鑑定後任意認知をしてもらう
子どもが産まれたら任意認知をする約束をする
無事に産まれてくるかわからない胎児の状態ですと、認知をしたがらない子父もいます。
この世に産まれてきた後、実際に顔をみたりすることで自分が父親である実感がわき任意認知をしてくれる人がいるでしょう。
DNA鑑定後に任意認知をしてもらう
「本当に自分の子なのか不安だ」という子父の場合、DNA鑑定を行うことで認知をしてくれるケースが多いです。

まだ父親としての自覚がないとしても、DNA鑑定で化学的に親子関係をつきつけることで任意認知をしてくれる段階です。
認知調停を申し立てて任意認知をしてもらう
認知調停を申し立てるということは、基本的に家庭裁判所を通じてDNA鑑定を行うということになります。
自分たちだけでDNA鑑定をするのではなく、法的機関を通してDNA鑑定をしてから任意認知したいという子父ならこの段階で任意認知をしてくれるでしょう。
強制認知の流れ
最後の強制認知は、父親としての責任から逃れようとしている子父が当てはまります。
強制認知は、認知調停を申し立てたあと、調停が不成立になった場合審判に移行して行われるもの。
ですから、強制認知をさせたいのならば認知調停を申し立てることが必須となります。

調停に出席しない・DNA鑑定に協力しないなどという行為をされたとしても、証拠書類やあなたの証言から審判に移行して強制認知になるのが一般的です。
DNA鑑定のやり方

家庭裁判に認知調停を申し立てるとDNA鑑定をすることになります。
裁判所が指定したDNA鑑定検査機関を通して子・子の父・子の母の唾液を採取してDNA鑑定を行います。
- DNA鑑定検査機関で唾液を採取(いけない場合は自宅まで出張してもらうことも可能)
- 顔写真付きの本人確認書類を提出
- 当日本人の写真を撮られる
- 検査結果が家庭裁判所に送られ、父・母・子の親子関係が証明されていれば調停成立(または強制認知)となる

基本的にはDNA鑑定検査機関へ直接出向く必要がありますが、お住いの地域によっては出張で対応してくれることもあり。子どもが小さい場合は出張してもらうのがいいでしょう。(出張費がかかります)
DNA鑑定をして親子関係が認められると、任意で認知してくれる男性は多いでしょう。
DNA鑑定後に認知してくれたら任意認知、DNA鑑定をしてもどうしても認知をしないようなら審判に移り強制認知をしてもらう流れになるのが一般的です。
- DNA鑑定費用は基本的に申立人が支払う(未婚の母)
- DNA鑑定は5万~10万ほどかかる
既婚者にも認知はしてもらえる?
未婚シングルマザーになる女性の中には、不倫をして妊娠した女性もいらっしゃるでしょう。
その場合、「既婚者である不倫相手には認知をしてもらえないのではないか?」いう疑問が生れるかもしれませんが、既婚者にでも認知はしてもらえます。
ただし、既婚者である不倫相手に認知をしてもらうとなると、子の父親の奥さんから慰謝料請求される可能性が非常に高くなります。

既婚者であることを隠した上で付き合い、妊娠した場合は話は別です。あなたが慰謝料請求できることもありますので弁護士さんに相談するのがおすすめです。
まとめ:認知からは逃げられない
「認知しない」と父親である責任を放り投げる男性は、残念ながら少なくありません。
しかし、そんな無責任な男性の意見をきく必要はないのです。
話し合いで決着がつかない場合は、家庭裁判を通して認知調停を申し立てましょう。

「認知しない」といわれると精神的に落ち込むとは思いますが、認知を望んでいるのならば決して諦めないでくださいね。