
養育費請求調停は弁護士に依頼すると高いよね?でも、自分で調停申し立てて戦って不利になったりしないのかな?
離婚や未婚で子どもを産んだシングルマザーの8割は養育費を受け取れていないので、たった2割のシングルマザーだけが養育費を受け取っているという状況なのです。

詳しいデータを知りたい方は厚生労働省HP「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」をご覧ください。
このようなデータから、「どうせ養育費もらえないだろうし…」「貰えるかわからない養育費のために弁護士費用もかけたくないし…」と思うシングルマザーさんもたくさんいらっしゃることでしょう。

今回は、養育費請求調停を弁護士に依頼したシングルマザーである私の経験を踏まえ、養育費請求調停を弁護士に依頼する必要性・弁護士に依頼しないとなぜ不利になるかなどをお伝えしていきます。
養育費請求調停とは?
養育費請求調停とは、子どもの親である父親と母親だけで話し合いをしても合意が得られない場合、調停委員や裁判官を含めて話し合いを進める手続きのことです。
養育費請求調停で話がまとまらない場合は、審判の手続に移行します。

養育費請求調停で取り決めた内容は、調停調書に記載されます。調停調書は判決や公正証書と同じく、養育費未払いの際は強制執行手続きを取ることができるようになります。

養育費請求調停は弁護士に依頼しなくていいの?
養育費請求調停は、弁護士に依頼しなくても申し立てることが可能です。
弁護士に依頼しなくてもいいケースは下記のような条件が揃っている時だといえるでしょう。
- 相手が話し合いに応じてくれている
- 収入などを隠さず公開し、養育費を支払う意思がある
- 父親としての責任をとる姿勢がうかがえる
相手が話し合いに応じてくれている
子どもの父親である人物が、養育費に関する話し合いに応じてくれている場合は、そもそも養育費請求調停を申し立てる必要がないケースもあります。

例えばですが、未婚の母から産まれてきた子どもが子父に認知をしてもらっていない場合であっても、相手に支払う意思があれば認知すら必要ありません。
相手が話し合いに応じて養育費を支払ってくれるとしても、公正証書は必ず作成するのがポイントです。
なぜなら、公正証書を作成することで、ただの口約束ではなくて法的に取り決めを行うことができます。
公正証書を作成する際に強制執行認諾文言付きにすると、相手が養育費を支払わない場合には給料や預貯金口座、その他の財産を差し押さえることなども可能になります

公正証書を作成せず、ただの口約束で養育費の取り決めをしたとしても、相手方に対して養育費の支払を法的に強制することはできないので必ず公正証書は作成しましょう。
養育費を支払う意思がある
相手方が養育費を支払う意思がある場合も、公正証書を作成する、又は弁護士に依頼せずに調停を申し立てて取り決めをすることが可能です。

養育費を支払う意思があるということは、相手方も年収を包み隠さず公開してくれることでしょう。
こちらのケースも調停の必要がなく、公正証書の作成で済む可能性があります。
父親としての責任をとる姿勢がうかがえる
相手方が父親としての責任をとる姿勢ならば、話し合いに応じてくれる可能性が非常に高いです。
相手の姿勢によっては、先ほどご紹介した2パターンのように公正証書の作成で済んだり、調停を弁護士に依頼せずとも個人で申し立てるだけで済むでしょう。

まとめると、誠意をもって父親としての責任を果たそうとして話し合いに応じてくれている人ならば、調停も必要ないし、弁護士も必要ないということになりますね。
養育費請求調停を弁護士に依頼した方がいいケース
一方、養育費請求調停を弁護士に依頼した方がいいケースは下記になります。
- 相手方(子父)が話し合いに応じてくれない
- 相手方(子父)とのやりとりがストレスになる
- 子育てが忙しくて手続きを進められない
相手方が話し合いに応じてくれない
相手方が話し合いに応じてくれない場合は、養育費請求調停を弁護士に依頼するメリットがあるといえます。

養育費請求調停が成立するのは早くて半年、長ければ1年以上かかってしまうケースも少なくないそうです。
相手が話し合いに応じてくれない場合は、無駄な時間だけが過ぎていきます。
ですから、話し合いに応じてくれない場合や、相手方との話がまとまらない場合は養育費請求調停を弁護士を通して申し立てることでスムーズに進められるメリットがあるのです。
相手方とのやりとりがストレスになる
相手方とのやりとりがストレスになる場合も、養育費請求調停を弁護士に依頼した方がいいでしょう。
なぜなら、養育費請求調停を弁護士に依頼することで、当事者本人たちが話し合う必要がなくなります。
調停には基本的に弁護士と一緒に出席しますが、調停委員+あなたの弁護士+あなたの3人で話し合うことになるでしょう。

相手方は時間をずらして調停委員+相手方の弁護士+相手方で話し合いをすることになります。
ですから、形式上は申立人(あなた)の弁護士VS相手方の弁護士で話し合いが進むということなのです。
子育てが忙しくて手続きを進められない
子育てが忙しくて養育費請求調停の手続きを進められないという方も多いのではないでしょうか。
養育費請求調停を弁護士に依頼せず1人で申し立てるとなると、調停に必要な書類を揃えるところから始まります。

シングルマザーは毎日ひたすら忙しいですよね。そんな中慣れない必要書類などを集めるのは非常に時間がかかり、疲れてしまうことでしょう。
もし書類を揃えて調停を申し立てられたとしても、その後調停がスムーズに進むかはわかりません。
もし養育費請求調停がスムーズに進まない場合は、ストレスにもなることが想像できますし子育てどころではなくなってしまう瞬間もあるかもしれません。

私自身、調停に弁護士さんと出席するだけでも非常に精神が削られました。1人で調停を申してていたらより精神的に疲れて子育てが手につかなかっただろうと感じました。
養育費請求調停を弁護士に依頼しないと不利になるケース
養育費請求調停を弁護士に依頼しないと不利になるケースは、相手方に弁護士が付いている時です。
弁護士は法律のプロですから、相手方がどんなに不利な状態であっても有利に話を進めようとしてくるでしょう。
そこであなた側には弁護士がついていないとすると、知識と経験の差で恐らく不利になってしまうことがほとんど。

法律は本当に難しくてややこしいので、相手方に弁護士が付いている場合は、あなたも弁護士をつけないと不利になってしまうでしょう。
養育費請求調停を弁護士に依頼するデメリット
養育費請求調停を弁護士に依頼するデメリットはたった1つ、弁護士費用がかかってしまうという点です。

とはいえ、法テラスなどを利用すると金額を抑えられることもあるのでまずは専門窓口に相談してみるのがいいでしょう。
個人で養育費請求調停にかかる費用は、2,000円~4,000円くらいで済みますが、弁護士に依頼すると個人で申し立てるのと比べ物にならないほど費用がかかってしまうことがほとんど。

とはいえ、これから子どもが成人するまでの期間支払ってもらえる養育費のためならば、一時的に弁護士費用がかかったとしても調停で法的に取り決めるのがいいでしょう。

弁護士が間に入ってくれる期間
養育費請求調停を弁護士に依頼した場合、依頼した日から養育費請求調停が成立するまでの期間は全て弁護士が間に入って話をまとめてくれます。
養育費請求調停を申し立てて、調停が終わったら弁護士としての任務は完了するということです。
なんらかの理由で、相手方が養育費を支払わないとしても弁護士は動いてくれません。自分で動く必要がある、もしくは再度弁護士へ依頼して解決してもらうことになります。

弁護士さんに頼れる期間は弁護士さんに頼りきって、不安なことや疑問点はしっかり相談に乗ってもらいましょう。
まとめ
- 養育費請求調停は弁護士に依頼した方がスムーズ
- 話し合いに応じない相手の場合は弁護士に依頼するのが最善
- 養育費請求調停を弁護士に依頼するとお金はかかるが精神的負担は減る
養育費請求調停を申してて、調停調書で取り決めることができると養育費未払いの場合は強制執行を行うことが可能になります。

子どものためにも、母親としてできる最善のことを行っていきましょう。養育費の未払いに関しての法律も厳しくなってきているのでしっかり法的手続きを取ることで未払いを防ぐことはできるのです。